一般社団法人パソコン3R推進協会の会員企業が、平成23年度に回収した使用済パソコン
(ディスプレイ装置を含む。以下同じ。)は、表1のとおり前年度比103.1%の851千台と
なりました。
このうち、家庭から回収したパソコン(家庭系パソコン)は堅調で111.7%の436千台でしたが、法人から回収したパソコン(事業系パソコン)は前年比95.4%の415千台にとどまりました。
なお、家庭系パソコンは、リサイクルのための回収量が前年度比113.1%の413千台、製品リユースのために回収量が前年度比91.7%の23千台となっています。
一方、事業系パソコンは、リサイクルのための回収量が前年度比98.5%の325千台、製品リユースのために回収量が前年度比85.6%の90千台となっています。
リサイクル (再資源化処理) |
製品リユース | 回収合計 | |
家庭から廃棄されたパソコン (家庭系パソコン) |
413千台 (113.1%) |
23千台 (91.7%) |
436千台 (111.7%) |
法人から廃棄されたパソコン (事業系パソコン) |
325千台 (98.5%) |
90千台 (85.6%) |
415千台 (95.4%) |
合計 | 738千台 (106.2%) |
113千台 (86.8%) |
851千台 (103.1%) |
リサイクルのために回収されたパソコンを製品カテゴリー別にみると、表2のとおり、家庭系パソコンは、デスクトップ型本体とノートブック型パソコンは共に前年度実績を上回り、また、表示装置もブラウン管式表示装置(CRTディスプレイ)の減を液晶式表示装置(液晶ディスプレイ)の増がカバーして好調を維持しました。
これは、無償回収となるPCリサイクルマーク付きのパソコンが購入から8年経過したことに加え、新OS搭載製品の発売により買換需要が喚起されたこと、また、パソコンリサイクル制度が少しずつ浸透しつつあることによると考えられます。
これに対し、事業系パソコンでは、デスクトップ型本体は前年並みを維持し、ノートブック型パソコンは前年度実績を上回ったものの、ブラウン管式表示装置、液晶式表示装置ともに前年度実績を下回った結果、全体としては前年度を若干下回りました。
事業系パソコンの回収量の低迷は、事業系ユーザーが廃棄処理費用を極力抑えるために、有価品として資源回収業者に売却する傾向が続いていることの表れと考えられます。また、事業系パソコンでは、液晶式表示装置についても前年度比減となっていますが、これはデスクトップ型本体の買換えは進むものの、液晶式表示装置は継続して使用する傾向が強いことの表れと思われます。
家庭系パソコン | 事業系パソコン | 合計 | ||||
台数 | 重量 | 台数 | 重量 | 台数 | 重量 | |
デスクトップ型パソコン本体 | 131千台 (109.3%) | 1,399トン (106.8%) |
144千台 (101.0%) |
1,442トン (101.6%) |
275千台 (104.8%) |
2,841トン (104.1%) |
ノートブック型パソコン | 111千台 (121.5%) |
347トン (115.2%) |
78千台 (107.2%) |
249トン (106.0%) |
189千台 (115.1%) |
596トン (111.2%) |
ブラウン管式表示装置 | 53千台 (83.7%) |
876トン (82.9%) |
24千台 (74.0%) |
372トン (74.2%) |
77千台 (80.4%) |
1,248トン (80.1%) |
液晶式表示装置 | 118千台 (130.3%) |
1,018トン (139.7%) |
79千台 (96.1%) |
456トン (105.3%) |
197千台 (114.1%) |
1,474トン (126.9%) |
合計 | 413千台 (113.1%) |
3,640トン (107.2%) |
325千台 (98.5%) |
2,519トン (97.3%) |
738千台 (106.2%) |
6,159トン (102.9%) |
なお、製品リユースのための回収は、家庭系パソコン、事業系パソコンともに前年度比減となりました。これは、新製品の低価格化により中古製品との価格差が縮まっていること、買取りパソコンの主流がXP、VISTAとなっており、リユースが進まないことの表れと考えられます。
最後に再資源化実績を見ると、表3のとおり平成23年度における資源再利用率は、いずれの製品 カテゴリーにおいても引き続き法定目標値を大幅に上回りました。また、事業系パソコンが家庭系パソコンを上回っていますが、これは、家庭系から廃棄されるパソコンは一般に年次が古く、中古再生部品または資源として再利用することが難しい製品が多いことによるものです。
家庭系パソコン | 事業系パソコン | 合計 | ||||
資源再利用量 | 資源再利用率 | 資源再利用量 | 資源再利用率 | 資源再利用量 | 資源再利用率 | |
デスクトップ型パソコン本体 | 1,036トン (108.5%) | 74.1% | 1,168トン (102.1%) | 81.0% | 2,204トン (105.0%) | 77.6% |
ノートブック型パソコン | 186トン (121.9%) | 53.6% | 162トン (105.2%) | 64.9% | 348トン (113.5%) | 58.4% |
ブラウン管式表示装置 | 640トン (83.2%) | 73.0% | 285トン (73.3%) | 76.5% | 925トン (79.9%) | 74.0% |
液晶式表示装置 | 720トン (144.6%) | 70.8% | 358トン (107.1%) | 78.7% | 1,078トン (129.5%) | 73.2% |
合計 | 2,582トン(108.7%) | - | 1,973トン (97.6%) | - | 4,555トン (103.6%) | - |
なお、会員の使用済パソコンの回収及び再資源化実績については、各社のホームページで公表して おりますが、当協会の下記ページからアクセスできます。
※本件についてのお問い合わせは、当協会 神田までお願いします(TEL: 03-5282-7820)。