一般社団法人 パソコン3R推進協会の会員企業が､平成30年度に回収した使用済パソコン(表示装置を含む｡以下同じ｡)は､表1のとおり407.2千台となり､前年度比99.2%とわずかな減少にとどまりました｡
このうち､家庭から回収したパソコン(以下､家庭系パソコンという｡)は前年度比94.2%の272.7千台で､法人から回収したパソコン(以下､事業系パソコンという｡)は前年度比111.2%の134.5千台となっています｡
リサイクル(再資源化処理)のための回収については､事業系パソコンは､前年度比117.1%の124.3千台と前年度を上回りましたが､家庭系パソコンは依然として減少傾向が続いており､前年度比95.7%の263.7千台となりました｡また､製品リユースのための回収については､家庭系パソコンが前年度比64.6%､事業系パソコンが69.1%と大幅な減少となっています｡
家庭系パソコンの回収量の減少は､家庭向けのパソコン販売が､依然として減少傾向であることに加え､一定量が小型家電リサイクル制度での回収に回ったことによるものと思われます｡一方､事業系パソコンの回収量は､法人向けパソコンの販売が好調だったことにより増加したと思われます｡
| リサイクル （再資源化処理） |
製品リユース | 回収合計 | |
| 家庭から廃棄されるパソコン （家庭系パソコン） |
263.7千台 (95.7%) |
9.0千台 (64.6%) |
272.7千台 (94.2%) |
| 法人から廃棄されるパソコン （事業系パソコン） |
124.3千台 (117.1%) |
10.2千台 (69.1%) |
134.5千台 (111.2%) |
| 合計 | 388.0千台 (101.7%) |
19.2千台 (66.9%) |
407.2千台 (99.2%) |
（カッコ内の数値は前年度比％）
リサイクルのために回収されたパソコンを製品カテゴリー別にみると、表２のとおりとなっています。家庭系は、液晶表示装置を除き、前年度を下回りました。事業系は、ブラウン管式表示装置は前年度を下回りましたが、その他は増加し、特に液晶表示装置は台数ベースで138.5％と大きく回収台数が伸びています。
表2| カテゴリー | 家庭系パソコン | 事業系パソコン | 合計 | |||
| 台数 | 重量 | 台数 | 重量 | 台数 | 重量 | |
| デスクトップ型 パソコン本体 |
47.8千台 (88.8%) |
471.5トン (86.2%) |
29.4千台 (113.0%) |
284.4トン (107.6%) |
77.2千台 (96.7%) |
755.9トン (93.2%) |
| ノートブック型 パソコン |
118.4千台 (96.2%) |
319.3トン (87.5%) |
50.7千台 (107.2%) |
141.7トン (111.3%) |
169.1千台 (99.3%) |
461.0トン (93.6%) |
| パソコン本体合計 | 166.2千台 (94.0%) |
790.8トン (86.7%) |
80.1千台 (109.3%) |
426.1トン (108.8%) |
246.3千台 (98.5%) |
1216.9トン (93.3%) |
| ブラウン管式 表示装置 ※ |
12.6千台 (90.4%) |
221.6トン (90.6%) |
2.7千台 (93.6%) |
44.1トン (94.0%) |
15.3千台 (90.9%) |
265.7トン (91.1%) |
| 液晶式表示装置 ※ | 84.9千台 (100.3%) |
709.5トン (92.0%) |
41.5千台 (138.5%) |
205.1トン (103.8%) |
126.4千台 (110.3%) |
914.6トン (94.4%) |
| 表示装置合計 ※ | 97.5千台 (98.9%) | 931.1トン (91.6%) |
44.2千台 (134.6%) |
249.2トン (102.0%) |
141.7千台 (107.8%) |
1180.3トン (93.6%) |
| 合計 | 263.7千台 (95.7%) |
1721.9トン (89.3%) |
124.3千台 (117.1%) |
675.3トン (106.2%) |
388.0千台 (101.7%) |
2397.2トン (93.5%) |
（カッコ内の数値は前年度比％）
最後に再資源化実績を見ると、いずれのカテゴリーにおいても、平成30年度における資源再利用率は、表３のとおり、法定目標値を達成しました。
なお、事業系パソコンの資源再利用率が家庭系パソコンを上回っているものが多いですが、これは、家庭系から廃棄されるパソコンは一般に年次が古く、中古再生部品として再利用することが難しい製品が多いことによるものです。
表3| カテゴリー | 家庭系パソコン | 事業系パソコン | 合計 | 資源再利用率 （法定目標値） |
|||
| 資源再利用量 | 資源再利用率 | 資源再利用量 | 資源再利用率 | 資源再利用量 | 資源再利用率 | ||
| デスクトップ型 パソコン本体 |
365.3トン (88.4%) |
77.5% | 235.8トン (106.7%) |
82.9% | 601.1トン (94.7%) |
79.5% | 50% |
| ノートブック型 パソコン |
191.2トン (88.2%) |
59.9% | 95.2トン (106.0%) |
67.2% | 286.4トン (93.4%) |
62.1% | 20% |
| ブラウン管式 表示装置 ※ |
154.1トン (90.7%) |
69.5% | 30.5トン (95.0%) |
69.3% | 184.6トン (91.3%) |
69.5% | 55% |
| 液晶式表示装置 ※ | 554.6トン (95.0%) |
78.2% | 161.1トン (101.0%) |
78.5% | 715.7トン (96.3%) |
78.2% | 55% |
| 合計 | 1265.2トン (91.4%) | - | 522.6トン (104.0%) |
- | 1787.8トン (94.8%) |
- | - |
（カッコ内の数値は前年度比％）
なお、会員企業各社の使用済パソコンの回収及び再資源化実績については、各社のホームページで公表しておりますが、当協会の下記ページからアクセスできます。
※本件についてのお問い合わせは、当協会 十王舘までお願いします（TEL: 03-5282-7820）。
