一般社団法人 パソコン3R推進協会の会員企業が、平成28年度に回収した使用済パソコン(表示装置を含む。以下同じ。)は、表1のとおり446千台となり、前年度比69.7%に止まりました。
このうち、家庭から回収したパソコン(以下、家庭系パソコンという。)は前年度比89.2%の306千台で、法人から回収したパソコン(以下、事業系パソコンという。)は前年度比47.1%の140千台となっています。
また、製品リユースのための回収量は、家庭系パソコンは、前年度比86.2%でしたが、事業系パソコンについては15.9%と大きく減少しています。リサイクルのための回収量は、家庭系パソコンが前年度比89.4%の287千台と前年度より減少率は改善したものの減少傾向が続いています。事業系パソコンは前年度比67.6%の121千台と、大きく減少しています。
これは、家庭系パソコンの回収量の減少は家庭向けのパソコン販売が低迷したこと、及び一定部分が小型家電リサイクル制度での回収に回ったと想定されることによると思われます。なお、法人向けパソコン販売が回復傾向にあるにも係わらず、事業系パソコンの回収量が減少した要因は、下取りなどの買い取りによる回収が増加していること、及び一部メーカーの実績が当協会の集計から外れたことによると思われます。
リサイクル (再資源化処理) |
製品リユース | 回収合計 | |
家庭から廃棄されるパソコン (家庭系パソコン) |
287千台 (89.4%) |
19千台 (86.2%) |
306千台 (89.2%) |
法人から廃棄されるパソコン (事業系パソコン) |
121千台 (67.6%) |
19千台 (15.9%) |
140千台 (47.1%) |
合計 | 408千台 (81.6%) |
38千台 (27.1%) |
446千台 (69.7%) |
リサイクルのために回収されたパソコンを製品カテゴリー別にみると、表2のとおりとなっています。いずれのカテゴリーにおいても回収台数は前年度実績を下回っていますが、パソコン本体ではノートブック型パソコンに比べデスクトップ型パソコン本体の減少がより大きく、表示装置においては、液晶式表示装置に比べブラウン管式表示装置の減少がより大きくなっています。
カテゴリー | 家庭系パソコン | 事業系パソコン | 合計 | |||
台数 | 重量 | 台数 | 重量 | 台数 | 重量 | |
デスクトップ型 パソコン本体 |
62千台 (881%) |
656トン (84.4%) |
38千台 (64.2%) |
397トン (60.9%) |
100千台 (73.6%) |
1,053トン (73.7%) |
ノートブック型パソコン | 122千台 (94.9%) |
358トン (101.9%) |
44千台 (76.3%) |
129トン (65.3%) |
166千台 (89.2%) |
487トン (88.7%) |
パソコン本体合計 | 184千台 (89.7%) |
1,013トン (89.9%) |
82千台 (70.1%) |
527トン (62.0%) |
266千台 (82.6%) |
1,540トン (77.9%) |
ブラウン管式表示装置 | 15千台 (83.9%) |
273トン (89.3%) |
4千台 (54.3%) |
54トン (53.4%) |
19千台 (76.4%) |
327トン (80.5%) |
液晶式表示装置 | 88千台 (89.7%) |
804トン (89.5%) |
35千台 (63.8%) |
211トン (66.0%) |
123千台 (80.3%) |
1,015トン (83.3%) |
表示装置合計 | 103千台 (88.8%) |
1,077トン (89.4%) |
39千台 (62.8%) |
265トン (63.0%) |
142千台 (79.8%) |
1,342トン (82.6%) |
合計 | 287千台 (89.4%) |
2,091トン (89.6%) |
121千台 (67.6%) |
792トン (62.3%) |
408千台 (81.6%) |
2,882トン (80.0%) |
最後に再資源化実績を見ると、いずれのカテゴリーにおいても、平成28年度における資源再利用率は、表3のとおり、法定目標値を達成しました。
なお、事業系パソコンの資源再利用率が家庭系パソコンを上回っているものが多いですが、これは、家庭系から廃棄されるパソコンは一般に年次が古く、中古再生部品または資源として再利用することが難しい製品が多いことによるものです。
カテゴリー | 家庭系パソコン | 事業系パソコン | 合計 | 資源再利用率 (法定目標値) |
|||
資源再利用量 | 資源再利用率 | 資源再利用量 | 資源再利用率 | 資源再利用量 | 資源再利用率 | ||
デスクトップ型パソコン本体 | 491トン (85.2%) |
74.9% | 334トン (61.3%) |
84.0% | 825トン (73.6%) |
78.3% | 50% |
ノートブック型パソコン | 210トン (104.7%) |
58.6% | 88トン (65.4%) |
68.6% | 298トン (88.8%) |
61.3% | 20% |
ブラウン管式表示装置 | 197トン (85.5%) |
72.1% | 38トン (52.1%) |
70.2% | 235トン (77.8%) |
71.8% | 55% |
液晶式表示装置 | 604トン (91.8%) |
75.1% | 169トン (68.2%) |
80.0% | 773トン (85.4%) |
76.1% | 55% |
合計 | 1,502トン (90.2%) |
- | 629トン (63.0%) |
- | 2,131トン (80.0%) |
- | - |
なお、会員企業各社の使用済パソコンの回収及び再資源化実績については、各社のホームページで公表しておりますが、当協会の下記ページからアクセスできます。
※本件についてのお問い合わせは、当協会 十王舘までお願いします(TEL: 03-5282-7820)。